津田宣秋のブログ|読書レビュー

ツアーオンライン(株)の津田宣秋の読んだ本の感想が中心のブログです。森鴎外、井伏鱒二、吉川英治、菊池寛が好きです。

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『世間胸算用』 (小学館ライブラリー) 井原 西鶴、 暉峻 康隆

本日は大晦日。早いもので今年ももう終わりである。大晦日は昔から日本人にとって特別な日だった。「紅白歌合戦」「日本レコード大賞」「ゆく年くる年」「大掃除」「年越しそば」「除夜の鐘」・・・・・。一年の締めくくりに相応しい行事が並ぶ。さらに年が…

『新編忠臣蔵』(全2巻) (吉川英治歴史時代文庫・講談社)

1936年(昭和11年)刊行毎年12月ともなるとテレビや新聞に登場する忠臣蔵。浅野内匠頭の仇討ちで赤穂浪士47名が吉良上野介邸に討入ったこの事件は、もはや元禄の一史実を通り越して国民の定番といえるだろう。なぜ私たちは300年を経た現在も、心を熱く滾らさ…

『平の将門』 (吉川英治歴史時代文庫・講談社)

武士として初めて世を制した平清盛の時代から遡ること約200年ほど前。関東全土に凄まじい嵐を巻き起こした一人の男がいた。平将門である。将門は桓武天皇の孫に当たる平高望を祖父に持ち、「桓武平氏」の一門として「坂東平氏」と呼ばれる名門豪族の跡取りな…

『文鳥・夢十夜』 (新潮文庫) 夏目 漱石

『猫』や『こころ』など長編小説のイメージが強い漱石だが、朝日新聞社の専属作家として勤め始めてからは、日々のちょっとした雑感めいたものやエッセイ風日記なども数多く手掛けている。国文学者の三好行雄の拠ると、こういった小説とも感想ともつかないあ…