最近、経済をもっと突き詰めたくなって古典を読み始めた。

アダム・スミスの『国富論』、マルクスの『資本論(原作は無理。まずは漫画だけど)』、マックス・ヴェーバーの『職業としての政治』、福沢諭吉の『学問のすすめ』、カーネギー自伝などなど。難しい言葉が多いので読解するのに時間がかかるのだが、勉強だと思って気合いを入れて読んでいる。
 

でも途中で自分の重大な欠陥に気づいた。私は世界史があまり頭に入っていないのだ。

例えば経済学の走りと言われ、アメリカ独立の1776年に出版された『国富論』は、1700年半ばからイギリスで起こった産業革命が核になっているし、1867年に出版された『資本論』は資本主義や資本家と労働者の問題を提起したものだし(すみません。本質を捉えてないかもしれません)、作者がなぜこの本を書くことになったかを理解するには、大まかにでも時代背景を理解しておく必要がある事に気づいたのだ。
 

だからまず世界史を勉強することにした。昔買った『漫画・世界史シリーズ』やいろんな歴史の本を読んで、自分なりにノートに年表を作って事件や出来事を書いていった。横列に1400年代から1900年代までの時間軸、縦列は国別にイギリス、フランス、ローマ帝国、オーストリア、スペイン、ポルトガル、ドイツ、アメリカ、日本など。こうすれば大体の全体像がなんとなく頭に入ってくる。
 

マリー・アントワネットがオーストリアから嫁いだなんて初めて知った。ナポレオンがフランス革命後、間隙を縫って登場し、瞬く間にフランスを治めた事も知らなかった。

それにしてもヨーロッパ諸国は革命や戦争がなんと多いことか。

イギリスでは王政による行き詰まりや独裁に不満を持ち、民衆が立ち上がって起きた1640年の清教徒革命、と思ったら1660年には王政復古でまた元に戻る。さらに1688年には再び名誉革命でひっくり返るなど、本当に歴史の繰り返しだ。
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フランスでも1600年代半ばより即位したルイ14世による黄金時代(ヴェルサイユ)が栄華を誇っていたと思えば、アメリカの独立(1776年)に刺激を受けて、1789年にはフランス革命が起こり、16世とマリーアントワネットは処刑をされる。その後ナポレオンが登場し、ヨーロッパ諸国に戦争を仕掛けたと思えば、ロシア敗戦ととともに、再びルイ18世が即位する。そしてまた7月革命、2月革命である。戦争はそれ以上だ。数え切れない。

だから彼らは『自由』や『平等』を人一倍大切にするのだろう。自分たちの祖先が血を流して勝ち取って来た歴史があるからなのだ。そんな事も何となくではあるがわかった。

世界史、特にヨーロッパの歴史をざっと掴んだ上で、改めて本を読み始めたら頭にけっこう入ってくるではないか。勉強して正解だった。(せっかく覚えた世界史・・忘れなきゃいいなぁ。。)